私が片頭痛の症状と見られる体調不良に見舞われたのは30代半ばの頃。
医療系の専門学校に行きながら仕事をしていた、多忙な時期である。
最初の2,3年程、その不調が片頭痛の諸症状だと気づかなくて、あれこれ試したけれど、何にも効果がなかった。
症状
月に2~3回、朝から左後頭部~首に違和感。(しこりができる)重苦しさと痛みと吐き気と感覚過敏(大きな音、光が無理なので、カーテンを閉めて横になるしかない)嘔吐。これが二日間続き、三日目にはスッキリ治っている。治った後は爽快な感じになるのが不思議。
鎮痛剤は全く効かない。
こんな調子がホルモンバランスの変化する時期に合わせたように出現していた。最初は胃の調子が悪いのかなと胃腸科行ったり。
漢方でなんとかなるかな?と漢方科行ってみたり。
鍼治療とか色々試してみたけれど、全然効かないのだった。むしろ症状が出ている時に鍼を打つと、余計に吐き気が増大するのだった。
頭のCT検査もしたけれど、頭蓋骨がいびつなことが分かっただけで、異常なしだった。
そして三年目に、もしやこれは片頭痛なのではないかと、頭痛外来のクリニックへ足を踏み入れたのでした。
老先生は座ったまま行う数種類の検査をすると、
「片頭痛ですね」
と診断を下した。
処方されたのはアマージというとんぷく薬。
そして不調発作時にその薬を飲んだところ、
効く!
なんていう即効性。
いつもは仕事も出来ない位に辛くて(時々休んだ)ずっと寝ていたのに、服薬後はみるみる内にスッキリと頭が晴れ渡ってくるではありませんか?!効果が切れるまでは快調に動けました。
「切れ味がいい」とはこのこと。
本当に、症状の診断がついて適した薬に出会えた時は、助かった~と思うものですね。
今思うと片頭痛の症状にあてはまっているし、医療系の専門にも行っていたのに、なかなか頭痛外来という選択肢を選べず右往左往していました。
よくいう、ズキンズキンと片方のこめかみが痛む、とか、閃輝暗転や歯車現象という予兆はなかったので、思い至らなかったというのもあります。
片頭痛のきっかけとしては、ホルモンバランスの変化する時期や、大きな音や光の刺激を受けた後が多い。なので、大音量のライブ、映画館での映画鑑賞、長時間のスマホ、プロジェクションマッピングのような光を多用したアートは苦手になりました。
若い頃はライブや映画に行くのが好きだったのに。
刺激そのものが起爆剤となって片頭痛を誘発してしまうようです。おいおい敏感さんかよ~。
ただ、この薬は高かった。
結構高いので、海外から個人輸入できるという薬のサイトから、インド製の同種の薬を購入して服薬したところ、心臓が締め付けられるような胸苦しさが出現し、危険を感じて服用を止めました。バカデスネ~。
その後転院した先のクリニックでもらうマクサルトも同じく高価だったのですが、安いジェネリックが発売され、ずいぶん助かりました。
リザトリプタンを今は使っています。
苦痛に呼吸を荒げながらブリスターから押し出した小さな白い錠剤を手のひらに取り舌の上にのせる。独特の甘みが舌に広がり、口腔内からすぐ上の脳に成分が溶けて広がってゆくようだ。あたかも雲から陽が射す神様のはしごのように。
しばし布団に倒れ込む。漆黒の眠りが体をつつむ。
短く濃い眠りから覚めるとさっきまでの苦しみが嘘のように体が軽い。生まれ変わったかのようだ。
そんな感じ。
薬を飲み出してからも根本治療というわけではなく月に2度程度は頭痛が出現していたが、以前よりはコントロールが効くようになって暮らしやすくなりました。
妊娠中、授乳中は禁忌の薬ということで、妊娠初期のホルモンバランスが安定しない頃には服薬できないのが苦痛でしたが、妊娠中~後期にはうわさどおり、頭痛が全く出なくなりました。
なんという喜び!→しかし出産後は再び頭痛が出現。ただ頻度と威力は以前よりは多少減りました。しかし神出鬼没な頭痛のやつ。いつも突然起こります。
しかしここ最近、だいぶ減ってきたように思います。
月に一回しか出ませんでした。
なぜだろう。
もしかしたら、最近は絵を描くようになったからかもしれない。
ここ何年も昔描いていた絵を再開したいと思いながらも一向に描けない(時間的にというよりは、手が離れてしまっていて、動かない)というモヤモヤを抱えていたのだけど、やっと今年に入ってから少しずつ絵を描く練習から始めて、手がちょっとずつちょっとずつ動くようになってきた。
多分絵画も楽器もスポーツもなんでも同じかもしれない。要は筋力とか神経とか、そういうものを使うは鍛えてないとなまってしまうんだろう。
その描きたいのに描けないストレスが少しずつへってきたおかげで、片頭痛が改善しているとすれば、なんとなくうなずける。
ちょうど頭痛が始まった頃は、多忙で絵を全く描かなくなった時期に相当する。
実際のところは分からないけど、今後の様子を観察していきたい。
世の中には色々頭痛を解消する方法として紹介されてるものがあり、音声を聞いてイメージすると頭痛が消えるというのをやってみたことがあったが、ぜんぜん無理~だったなー。
痛みの形や色をイメージしようというの。
なんだそりゃー。
片頭痛の起こる機序は血管の収縮と拡張により三叉神経が刺激されて起こるらしい。
心身って、それ役に立つのか~?っていう不定愁訴って多いよね。
死ぬまでは至らないけれど動けなくなる系の。
要は、無理すんな!っていうSOSなのかな?
なんらかのメッセージなのかもしれない。耳を傾けてあげられるのはもちろん自分だけ。